「時をかける少女 -TOKIKAKE-」(少年エース 連載) 感想: 序破急

琴音らんまる・著/筒井康隆・原作『時をかける少女 -TOKIKAKE-』の感想

時をかける少女 -TOKIKAKE-

映画「時をかける少女」のメディアミックス企画として、少年エースで短期連載中の「時をかける少女 -TOKIKAKE-」、これがけっこう面白い。web KADOKAWAで試し読みができる。

今月26日に発売する少年エースで連載は最終回を迎える。以下は、少年エース誌上で読んだ時の感想。

奇妙な夢から始まり、起きると学校に遅刻しそうな時間になっているという、ありがちな導入。特に導入部分に特筆すべき点はないように思う。学校の授業、放課後などの何気ない一日を描きつつ、ゆっくりと物語は進んでいく。主人公が繰り返す、「今日は厄日」が伏線となり、やがて決定的な出来事が起きる。

その後は、「タイムリープ」という能力を手に入れ、戸惑う主人公。「魔女おばさん」と呼ばれる物語の案内人も登場し、読者を置いていくことなく、主人公と共にゆっくりと不思議世界へ入って行ける。

ただ、「タイムリープ」を使って未来を変えようとして、主人公が何度も過去に戻る描写は途中で飽きてしまった。何度も結果の変わらない「繰り返し」を見せられることで、いくら過去に戻ったところで未来は容易に変えられないことは充分に伝わってきたが、何か工夫が欲しかったとも思う。

友人関係を壊さないようにと思った行動が、結果的に友情に亀裂を生んでしまい、悩む主人公の描写は良かった。女1人+男2人の仲良しグループという、こういった学生の物語では少し特殊と言える設定を活かしていると思う。いかにも「高校生」という感じが良い。

全体的にほのぼのとした雰囲気。それは主人公が「タイムリープ」を手に入れる前と後で、特に変わることはない。普通の日常をあくまで普通に描いている。登場人物たちは表情豊かで、特に主人公の表情やアクションは少々オーバーながら、見ていて楽しい。キャラクター原案「貞本義行」とクレジットされているが、あまり貞本キャラっぽい印象は受けない。蛇足な上に比較論になってしまうが、最近の「貞本エヴァ」の登場人物たちよりも、この作品の登場人物たちの方が生き生きしている感じがする。人物たちの内面、作品の世界観などを無視しての比較論なので意味はないが。

大きな謎を残して終わった前回。短期連載では勿体無いとも思うが、今月26日発売の少年エースに載る最終回が楽しみだ。

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