2007年7月25日発売『天元突破グレンラガン』1・2話収録のDVD第1巻の感想
4月1日より放送開始された「天元突破グレンラガン」のDVD 第1巻が発売された。今石洋之監督による、ガイナックス久しぶりのTVシリーズ ロボットアニメ。
限定版の特典DVDには、ヨーコ役の声優である井上麻里奈氏がガイナックスを訪問した際の映像を収録。
正直な話、放送開始前にはあまり期待していなかったのだが、第1話を結構楽しんで観ることが出来、回を追うごとにはまっていった。
以下に感想を。
世界観は近未来を舞台にした作品で有りがちな、何かの事情により地上の存在がひた隠しにされ、人々は地下に住まざるを得ないというもの。その地上に憧れを持つ異端者が現れ、物語は動き出す。
有りがちな世界観であるものの、地下に築かれた村を拡張するために、村民がこの作品の重要なキーワードでもある“ドリル”を使って日夜“穴”を掘り続けているという独特の設定がある。主人公であるシモンは、村の中でも掘り師として一目置かれた存在であるものの、仕事一筋で偏屈者と思われているため疎んでいる者もおり、暗い少年だ。しかし根暗というほどでもなく、彼の性格は、熱血漢である兄貴分・カミナとの対比で表れてくる。近年珍しい熱血スーパーロボット物だが、主人公が熱血漢ではないためストーリーを牽引する役割ではなく、その代わりに傍らに居るカミナがその役割を担っている。
ストーリー展開は多くの説明や理屈を省き、カミナの持つ勢いで強引に引っ張られているといった印象で、実にスーパーロボット物らしい。また、第1話での最大の見せ場は、主役メカの合体シーンから合体後に敵を倒すまでだと思っていたが、主役メカの一部である“顔”の活躍が描かれるのみだった。穴を掘っていく過程でシモンが偶然見つけたもので、操縦者とメカの関連性が明らかにならずとも、コクピットに座った瞬間に操縦方法が分かってしまい、自在に操れるというのはいかにもスーパーロボット物らしい。多少強引に進めてはいるものの単純な作りに徹しており、小難しい事柄をあえて排除して、深く考えずに観ることが出来る点では非常に分かり易い。ただ逆に取れば浅く厚みが無い、とも。これまで見たことのない、新しいロボットアニメーション
と謳われているがそこまでのインパクトは受けなかった。
流れと勢いを重視したストーリー展開ではあるが、構想に長い時間を掛けているだけあって、丁寧な作りをしていると感じる。特に、第1話で最も多かったであろうカミナの台詞回しは、かなり神経を使って慎重に練っているような印象。熱血漢とは程遠いシモンを突き動かすほどの説得力を持つとは思えないが、その考え方や言い回しは面白い。
本編を長くするためかエンディングは短く、スタッフロールの進みも速い。フォントサイズが小さいために観づらかった。ちょっと気になる。
4月1日の本放送時に書いた感想に加筆修正。
熱血漢ではない普通の少年が主役メカの操縦者となった場合、第1話では敵を爽快に撃破し、その次の戦いでは逃げる、というある種の王道があるように思うが、この作品もそれをきっちり守っている。無我夢中でメカを操縦して敵を撃破したものの、一転して次の戦いでは逃げてしまうシモン、それに対して戦うように促すカミナ。よく練っているようで台詞のテンポも良く格好良いのだが、あまり説得力の無い熱血台詞は段々とマンネリ化してくる感じがする。また、敵は日が昇ると現れ、日が沈むと去っていくという設定も、少々子供向け過ぎるとも思う。今後の夜襲などへの伏線であると予想することは出来るが。
限られた空間しか無い地下ではなく、広い広い地上に出たため、アクションシーンも本領発揮といった感じがする。巨大な敵と日々戦う生身の人間たちは、手にした銃で遠くから攻撃するため、どうしても目立ったアクションが無い。そんな中、カミナの運動能力は常人のそれでは無いと思うものの、操縦するメカが存在しない時点では、アクションシーンを盛り上げるための良いはったりになっている。シモンが操る主役メカ・ラガンに飛び乗るシーンは構図も良かった。
今回の話の締めは、父親と思われる人物の遺骨の前で、カミナが叫び声を上げるところ。幼い頃地上に出た際にカミナが見た父親のアクセサリーが回想に出てきて、それが伏線になっているとはいえ、遺骨の腕にある同じアクセサリーを見つけるシーンは少々唐突。そこまでの流れで不自然な点はあまり無かったが、今回観ていて、その部分だけが強引に思えた。
エンディングが短いのは第1話だけだったようだ。今回流れたエンディングが通常サイズらしい。前回のようにスタッフロールが下から上に流れるタイプではなかったので、じっくり観ることが出来た。
4月8日の本放送時に書いた感想に加筆修正。