東京国際映画祭の「ラブ & ポップ」上映とトークショーに行ってきた: 序破急
特別企画枠「映画が見た東京」での上映後、庵野秀明と三輪明日美のトークショーレポート

東京国際映画祭の「映画が見た東京」枠で庵野秀明監督の実写作品「ラブ & ポップ」が上映されたので観に行ってきた。上映に使われたのは、公開当時そのままのフィルムだそう。ところどころにノイズがあったが、気にならない程度。内容についてはもはや書く必要はないと思うので、ここでは省く。
まずは公開当時のおさらいと資料を兼ねて、過去の「ラブ & ポップ」関連のインタビューや対談をまとめてみた。
- 庵野秀明が語るNOW & THEN
月刊ニュータイプ 1997年9月号 より
- 「エヴァ劇場版」公開後のインタビュー。既に「エヴァ」ではなく次回作「ラブ & ポップ」のことしか考えていなかったらしい。
- 映画『ラブ & ポップ』 主題歌レコーディング
月刊アニメージュ 1997年12月号 より
- 三輪明日美氏による主題歌「あの素晴しい愛をもう一度」について。
- 対談・庵野秀明×野火ノビタ
月刊アニメージュ 1998年2月号 より
- 野火ノビタ(榎本ナリコ)との対談。「エヴァ劇場版」から「ラブ & ポップ」に至るまで、「エヴァ」との関連性など。時間の都合で半分までアップできた。
- 『ラブ & ポップ』 映像作家としての庵野秀明
Quick Japan Vol.17 より
- 竹熊健太郎氏との対談。「エヴァ」との関連性、映画監督としての将来についてなど。
- ラブ & ポップ あとがき
「ラブ & ポップ」 チラシ より
- 庵野氏が「ラブ & ポップ」に託した想いを詩風にまとめたコメント。
以下は最近の記事。東京国際映画祭の公式サイトに掲載されたインタビューと、三輪明日美氏のブログ「三輪明日美のずぼら記」から。
- 映画が見た東京 「ラブ&ポップ」庵野秀明監督インタビュー(前編) / (後編)
- 最新インタビュー。制作当時を振り返る。
- 20日は(10月17日の記事) / イベントは(9月26日の記事)
久しぶりに庵野さんとトークです。他のスタッフも会場にはいるかも?と言ってたのでラブ&ポップ10年ぶりの再会です★

庵野氏本人を見るのは、2004年の「キューティーハニー」公開当時のイベント以来、久しぶり。
お二人とも久しぶりに会ったとは思えないほどに息がぴったり合っていて、掛け合いが非常に面白かった。制作当時のエピソードを語り出せば尽きないらしく、ずっと聞いていたい、そんな感じでした。時間の都合で少々中途半端なところで終わってしまったが。観客席には、当時のスタッフである編集の奥田浩史氏がおり、映画を観ていた。トークショーでは話題を振る予定があったそうだが、時間の都合で発言はなかった。
トークショーで語られた内容をいくつかメモしてきた。語り口調とは大きく異なってしまっているが、趣旨は同じはずなので、あくまで参考までに。関連書籍やDVDのブックレット等を確認していないので、被っている内容があるかも知れない。敬称略。
- 主題歌「あの素晴しい愛をもう一度」はデモテープの方が、更に下手で良かった。エンドロールに使われたのは何度か練習した後で、デモテープの歌声には“破壊力”があった。
- 東京中のGゲージレールを買い占めた。レンタルビデオ店のシーンなど、ローアングルからの撮影はGゲージにカメラを乗せて行っている。レールカメラよりも高さが出なくて、手軽。
- エンドロールだけは35mmフィルムで撮影している。「フィルムの良さを思い知れ!」と思ったそうだが、デジタルも割ときれいでショックを受けた。撮影時は2テイクでOKが出て、それぞれフィルムが終わるまで撮影された。最後の“END”の文字は庵野本人によるシネカリグラフ。
- 編集は日活のスタジオに泊り込みで行った。編集スタッフの奥田浩史は当時新婚で、結婚早々家に帰れない日が続いた。エンドロールの“奥田浩史(新婚)”は本人の希望によるもの。
- 制作当時はデジタルの初期だったので、編集機器が不安定だった。朝起きると編集した映像が飛んでいたことも。電圧が不安定だったらしい。
- (「しばらく実写はやらないのか」という質問に対して)「ヱヴァンゲリヲン」が終わってからも、しばらくはアニメをやるつもり。「今アニメをやらないとアニメは本当に駄目になってしまう」から。
- 撮影当時から庵野は仲間由紀恵のことを「この子は売れる」と思っていたが、まさかここまでビッグになるとは思わなかった。「もうドブ川を歩いたりはしてくれないだろうな」。
- 10年前に現在のような小型ハイビジョンカメラがあれば良かった。
- 裕美が公園で手を洗うシーンで、水道の下から撮っていたカメラが濡れて故障。テープは無事だった。
- “デジタルビデオカメラで映画を作る”のは誰かがやると思っていた。それならば最初は自分たちがやってしまおうと、「ラブ & ポップ」はデジカムで撮影した。
- 最後の方の裕美が渋谷の街を歩いているシーンは、三輪本人がカメラを持って撮影した。何度も何度も街を歩かせ、裕美と同じように追い詰めた。
- 螺旋階段を上から下まで撮っているところで、当初庵野はカメラを投げたかったが、撮影部から「さすがにそれはまずい」との話が出て、ロープで吊るす形に。飛び降りの感覚を出したかったらしく、カメラ自体は庵野の私物だった。
- 監督である庵野とメインキャスト4人とのコミュニケーションは基本的に不可能。監督の言葉をプロデューサーが仲間由紀恵、希良梨の年上2人に伝え、それを更に噛み砕いて三輪、工藤浩乃に伝えた。
- 初号試写上映後、三輪は一人で20分以上も泣き続けた。庵野曰く「主役を泣かせてナンボ。まずは主役を泣かせないと」。
関連記事を検索していたら、三輪明日美さんへの99の質問というページを発見。10年前に収録されたもので、
Q94:10年後の自分はナニをしてると思う?
結婚!!してて、あったかーい家庭をもってる!! マジでー? できんのかよー
という回答があった。その“10年後”の今読むと何とも微笑ましい。今回「ラブ & ポップ」を久しぶりに観て、そしてトークショーでの三輪氏を見て、改めて彼女のファンになった。
最後に「ラブ & ポップ」関連商品を並べてお茶を濁すことに。そのほとんどが絶版、廃盤になっているが、中古では手に入る。
ラブ & ポップ SR版
- 2003年に発売されたDVD。SRとはスペシャルリニューアルの意味。特典が豊富。
ラブ & ポップ 特別版
- 「SR版」より少々古いが、庵野秀明的にはこちらが決定版らしい。「SR版」にはあまり関わっていないのかも知れない。
ラブ & ポップ トパーズⅡ(幻冬舎文庫)
- 村上龍の原作小説の文庫版。
あの素晴しい愛をもう一度
- 廃盤。三輪明日美のデビュー曲、サントラとも別バージョン。
ラブ & ポップ サウンドトラック
- 廃盤。劇中に使用されたクラシック曲、三輪明日美の「あの素晴しい愛をもう一度」収録。
ラブ & ポップ フォトブック
- 絶版。制作風景、制作日記、スタッフ座談会など。
ドキュメント ラブ & ポップ
- 40名以上のスタッフインタビュー、主要カット、撮影手法の解説など。
シナリオ ラブ & ポップ(幻冬舎文庫)
- 庵野秀明と薩川昭夫によるシナリオ集。庵野×村上龍、庵野×桜井亜美の対談を併録。
ラブ & ポップ - 三輪ひとみ + 三輪明日美
- 絶版。三輪姉妹の写真集。
彼氏彼女の事情 CD-BOX
- シングル「あの素晴しい愛をもう一度」のカップリング「君がずっと離れない」をボーナストラック収録。
- 投稿: 2007年10月21日 02時07分
- 分類: イベント
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