特別上映の決定で『ヱヴァ新劇場版:序』はますます自主制作っぽく見える: 序破急

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』をはじめとした庵野秀明作品のファンサイト

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 特装版特装版DVD発売を記念して『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.01 YOU ARE (NOT) ALONE.』の特別上映決定が26日に発表された。上映が予定されている映画館は、東京のシネマスクエアとうきゅう、大阪のシネ・リーブル梅田。

今回の発表に関して、気になった部分を以下に引用。

本作はデジタル制作によるアニメーション映画で、画質調整は劇場におけるフィルム鑑賞を前提としています。

そのため、DVDソフト化に際しては35mmニュープリントからのHDテレシネ方式を採択し、
庵野秀明総監督の監修のもとに画・音を再調整いたしました。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」EVANGELION:1.01 YOU ARE (NOT) ALONE. 特装版DVD発売記念特別上映 より

従来の製作委員会方式を廃した、カラーが100%出資して作られた、いわば「自主制作映画」に近い形だった。総監督の庵野秀明氏も「自主制作」と明言している。

庵野 ヒットして集まるのは、やっぱりお金だね。『エヴァンゲリオン』だから100%自社出資で映画の自主制作ができる。それが他のタイトルだったらとてもできないでしょうね。『エヴァンゲリオン』というタイトルのありがたさです。

島本和彦・著『アオイホノオ』1巻 庵野秀明・島本和彦 対談 より

そして今回の、画・音の再調整を施したバージョンの特別上映、フィルム鑑賞を前提という書き方など、ますます「自主制作」っぽい。特別上映はフィルムを映画館に持ち込んで、人を集めて開く「上映会」みたいに見える。

フィルム鑑賞を前提にしているのであれば、今後も何かの機会に上映会を開くとか、ファン主催による上映イベントにフィルムを貸し出すとかして欲しいものだが、難しいかな。

キャストやスタッフによる舞台挨拶やトーク等がないか気になったので、問い合わせ先として提示されていたキングレコードに問い合わせてみた。

担当部署に確認いたしましたが、舞台挨拶の予定はございません。

キングレコードからの回答 より

一般の劇場公開とは異なる、DVD発売記念“イベント”でもあるわけだから、ちょっとした舞台挨拶ぐらいあってもいいと思うんだけどなぁ、残念。

上映時間については直接劇場にお問い合わせ下さい。と書かれていたので、シネマスクエアとうきゅうに電話で問い合わせてみた。

上映時間の詳細は現在決定しておりません。決定は4月に入ってからとなります。

シネマスクエアとうきゅうからの回答 より

レイトショーということで20時~21時ぐらいから始まるのは分かるが、詳細な開始時間は分からなかった。まだ決まっていないならいないで、ニュースページには“上映時間は現在決定しておりません”とでも書いて欲しいものだ。

StarChildの『エヴァ』公式ページにも上映決定について告知されていたが、コピーライト表示を間違えているようだ。

上映告知 キャプチャ画像
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』コピーライト表示間違え

「© GAINAX・カラー/EVA製作委員会」は、旧作『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』のコピーライトで、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』では「© カラー・GAINAX」になったはずだ。コピーライト表示ってけっこう重要だと思うのだけれど、公式ページのくせにちょっとまずいのでは。

  • 2008年03月28日 20:19
  • 投稿者: Haimu

記事に対するコメント (4件)

  1. c_a_nagaoka

    積極的な理由、たとえば個人宅の視聴環境への最適化を第一に考えた「再調整」なのか、それとも劇場公開バージョンのフィックスが実態なのかは、上がってきた映像を見ればはっきりするかもしれませんね。広報文の言葉どおりに全部を受け取りづらいような印象も多少あります。込み入った理由付けをしないで、次からはオールデジタルでやってみたら、とも個人的には思いますが・・・。

    2008年03月29日 01:37
  2. 名無し

    アニメには特殊効果という、セル画に汚しを入れる作業があります。この作業を行うと、絵がより自然に、精密に見えます。

    デジタルカメラの性能が上がり、より正確な写真を撮れるようになったのですが、その正確な写真がかえって偽物っぽくなってしまい、それを解消するためにノイズをのせる研究をしているという話を聞いたことがあります。

    単純比較はできませんが、次にあげる2つの画像を比較してみてください。
    http://www.evangelion.co.jp/img/wallpaper/evawp2_1280_960.jpg
    http://eva.b-ch.com/picture/nerv/1206266355.jpg
    後者の画像にはノイズがのっています(文字の部分や初号機のベタ塗り部分をみるとわかります)。後者のほうがより自然に見えると思うのですが、どうでしょうか。

    『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の映像をより自然に見せるためには、ノイズをのせることが必要だったのだと思います。劇場ではフィルムによる上映だったので、ノイズは自然にのっていました。それで、フィルムテレシネという方法がとられたのではないでしょうか。作品の完成度を上げるために。

    2008年03月29日 22:26
  3. fuckui

    http://www.ghibli.jp/ged_01/30special/000613.html
    作品はゲド戦記ですが、デジタルの撮影だと、どの作品も画面全体にセルを馴染ませる(浮いて見えない)ようにする為に、何らかのフィルターを乗せるのが常道となっています。そうしないとアナログ時代はセルに色を塗るとどうやっても色のムラが出ていましたが、デジタルの場合、絶対的に“均一な”同じ色で仕上げられてしまう為、特に動きのないトメのカットだと、ピタっと一時停止したかのように不自然に見えてしまいます。更に上記の比較画像を見て欲しいのですが、キャラクターの描線にジャギーが出ています(線がギザギザしているのが判りますでしょうか?)。そうした物を防ぐ為に、あえて若干ノイズっぽくフィルターを掛けているのです。
    ただしヱヴァの公式サイトが伝えている事は上記の“撮影的”な意味ではない、と考えます。

    アナログ時代がそうだったのですが、セルに直接塗った色味と、それがフィルムになった時の発色がどうしても違ってくるので、昔の色彩設計さんはフィルムになった時の色味を見越して(逆算して)彩色していました。
    この事からも、全カット仕上げし直した訳ではないと思いますが、フィルム(アナログ)としての劇場公開版と、DVD(デジタル)としてのソフト版とでは、どうしても全体的な色調に誤差が出てしまうので、それを限りなく近づける意味での“画質調整”であって、またメディアが違うのでその僅かな差はどうしたって埋まりませんから、『今回上映されるフィルムの色味は、商品として並ぶDVDとは若干違いますよ。』と云う意味での、なんともご丁寧な“ただし書き”ではないかと思います。
    もっとも、こうした事は珍しい事ではなく、大体の映画は実写・アニメ関係なくソフト化される際に監督立会いの下、ソフト版用に色調補正されるのが常ですが。

    2008年03月30日 01:43
  4. c_a_nagaoka

    名無しさん、fuckuiさん、貴重な情報と解説をどうもありがとうございます。色々な可能性が考えられるのですね。どうも一種の「裏読み」をしてしまっていたようで、事前の受け止め方としてはちょっと素直じゃないですよね。来月の上映とDVDのリリース、楽しみです。

    2008年03月30日 03:28

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