庵野秀明、貞本義行、山賀博之の発言集、作品に関する資料などを掲載
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」にジオン軍のメカニックデザインとして参加した庵野氏のインタビュー。映画のクレジットではガイナックス名義だった。
デザインオンリーの仕事でしたが、非常に勉強になりました
「今回、初めて「ガンダム」という作品に参加したわけですが、「ガンダム」と聞いて思い浮かぶのは、やはり最初のTVシリーズですね。なにしろインパクトの強い作品でしたから……。
ですから最初は、あのころの感じに戻そう戻そうと思いながらデザインしていたんです。ところが、富野監督の頭の中では、当然「Ζガンダム」や「ガンダムΖΖ」を通過してイメージが進んできているんですね。その辺のギャップを、僕のなかで埋めるのに、まず苦労しました。
デザインオンリーの仕事というのは、今回が初めて(ガイナックスとして参加)ですが、リアルなラインを意識してやりました。分担というか、基本パートとしてはネオ・ジオンサイドをぼくが、連邦サイドをアシスタントの増尾君が担当しました。メーンは戦艦関係ですね。ちょっと見た感じでは、2人とも全然ラインが違うようですが、その辺も監督の意向だったようです。
デザインするにあたっては、実際にあるメカニックや、映画などで使われたものの印象を大切にしました。個人的には、エンジン部分にラインが入っているムサイの発展型のムサカ。あれが最初にデザインしたということもあって、いちばん気に入ってます。
もっとも、仕事にかかったのは昨('87)年で、6月ごろにはほとんどの作業が終了していましたから、苦労話といってもあまり覚えていないんです。
ただ、監督からの注文がいろいろあったことは覚えていますね。たとえば、人との対比を重視すること、どこに何があるかをわかりやすく示す、といったことですね。
宇宙船でいいますと、砲塔やミサイルの発射部、モビルスーツの収納部などの戦闘に関連したスペースと、エンジンブロック、居住区といった作品のなかで代表的な役割をもつ基本的な3つのブロックの位置を、できるだけ離すことにより、子供の目から見ても、そのメカの部分部分がはっきり区別がつくようになりますね。
また、そこに人が住んでいるんだということをいつも念頭に入れてデザインする、ということもいわれました。正直いって、そこまで厳密なものだったのか!という驚きも大きかったですけれど、自分としては非常に勉強になりましたし、おもしろい仕事ではありましたね。
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