『ナディアの魅力は!?』 庵野秀明×菊池通隆: 序破急

庵野秀明、貞本義行、山賀博之の発言集、作品に関する資料などを掲載

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CD『ふしぎの海のナディア Vol.2』 より

庵野秀明×菊池通隆

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★キャラクターの魅力から、
 音作りの秘話まで、
 二大クリエイターが語り合う。

――では最初に、菊池さんに『ナディア』をご覧になっての感想をお聞きしましょう。

庵野(以下A)

「何か文句でもあったら(笑)。ナディアは性格悪いとか、ジャンは何もしないとか(笑い)」

菊池(以下K)

「正直言って、最初に観た時は、ああ、ナディアって性格の悪い子だなァと(笑)」

A

「本当に性格悪いんですよ、ナディアって」

K

「ジャンがあんなに一生懸命にナディアのためにやってるのに、そりゃないんじゃないの、と(笑い)。でもナディアって見てると、ああ本当の女の子だなあって思いますね」

A

「すげーリアルでしょ」

K

「だから、今までのアニメによくありがちな、作った女の子のキャラじゃないな、と」

A

「いわゆる、お姫様タイプって言うヤツへの嫌がらせですね。ガイナックスの伝統(笑)」

――ナディアもヒロインなのに、随分な言われ方ですが(笑)。各アニメ誌の人気投票では、ランクがかなり高いですよね。その秘密とかあるんでしょうか。

A

「見かけにだまされてるだけだったりして。なんといってもアニメ屈指の露出度の高さですから。常に半裸、ヘソ出してないと気が済まない娘(笑)」

K

「あ~、もうHですね。僕なんか、かないませんよ」

A

「貞本氏(キャラデザイン)の感性が大バクハツ。故意に露出している場合以上に、割と普通にしな作ってる絵とかが、『うわ~! H!!」という感じで(笑)。菊池さんの方はそういうところって如何です?」

K

「H度で比較されるとは。トホホ…ですよ。ボクはHな絵を描こうと思って描いてる訳じゃないんですが。みんな何かカン違いしている(笑)」

A

「えー! そんな事無いんじゃないの(笑)」

K

「でも、リアルなHと言うところが凄いですね。性格もリアル、Hもリアル。そういうところがナディアの魅力なんじゃないんでしょうか。とか分析してみたりして(笑)」

A

「超刺激的な格好で目の前をウロウロされて、凄く尽くしてもらってるのに、ジャンにはああ言うひどい態度を取る。そんなのが魅力になっているのだろうか(笑)」

K

「それが良いんじゃないでしょうか(笑)。庵野さんもこんな目にあったことがあるとか」

A

「いやあ、合ってない、合ってない(笑)」

――次は『ナディア』の音楽についてお聞きします。音作りの面で苦労されていることとかありますか」

A

「いや、いっぱい苦労してますよ(笑)。何から話しましょうか。オフレコになるのが多いと思うけど(笑)」

K

「庵野さんの方から、作曲家さんに直接注文してBGMを作ってもらってるんですか? 結構シビアな注文を出されるとかってウワサで聞いていますけど」

A

「ええ、そうです。だいたい頭の中にあるモチーフを、『こんな感じで』と伝えるんですが。でもそんな時の『感じ』って言うのは、全部実際にある曲ですね。だからこのCDやTVのBGMを耳にして、引用した原曲を推理するという楽しみ方もできます(笑)」

K

「へえー。じゃあ効果音なんかはどんな感じで?」

A

「それには新兵器を使ってます。とか言ってビデオウォークマンなんだけど(笑)。参考素材をまず8mmビデオに落として、それを音響さんに見てもらって、これこれこうして欲しいと伝えてます。これが結構良くて、口で伝えるよりも確実にイメージが伝わりますよ」

K

「じゃあボクも、その時が来たらそうしようかな。新兵器を買って(笑)」

A

「でも素材と全く同じものが上がってきたりして。まあ、それが良いんだけど(笑)」

K

「そのせいかもしれないけど、ナディアの音って、特撮好きのボクが聞いていて、ピンピンと来たりするものがたくさんあります。音楽の傾向はやはり…?」

A

「そうですね。今風の音は極力使わないで新しくても70年代どまりのイメージで曲を作ってます。カントリーフォークとかアコースティクとかジャズやクラシックとかね。テクノの前の時代。せいぜいニューミュージックまで。ボクがこの番組の視聴者ぐらいの年令の時に洗礼を受けたモノです。だから解る人には元ネタが解ると思いますね」

K

「昔、騒いでいた血が再び目覚める。そんな感じの良い曲が多いですね。知らない人にも新鮮で良いんじゃないでしょうか」

A

「これからも良い曲がたくさん出てきます。期待してください」

――では最後に、今後の『ナディア』についてお聞きしたいのですが。

K

「どうなるんでしょう。一ファンとして聞いてみたい(笑)」

A

「ナディアはどんどん性格悪くなります。ジャンが報われる日は来るのであろうか(笑)。来なかったりして」

K

「そりゃヒドい(笑)」

A

「まあ、冒険活劇らしく大ドンデン返しを用意してますので、毎回注意深く見守っていてください。見てのお楽しみです」

K

「なんて詳しくないストーリーなんだ(笑)。じゃあ、原曲当てクイズをしながら毎週見てよう(笑)」

A

「戦後30年のアニメの総決算が『ナディア』ですから。楽しみにしててください」

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