庵野秀明トークイベント: 序破急

庵野秀明、貞本義行、山賀博之の発言集、作品に関する資料などを掲載

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エヴァ・エース より

庵野秀明×大槻ケンヂ×佐藤江梨子

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増刊として一度だけ発刊された「エヴァ・エース」より。

見た人それぞれに考えてもらえればいい

――今回、リニューアルということで久しぶりにご自身の作品をご覧になったわけですが、どのような感想を?

庵野

「終わってからちゃんと見たことがなかったので、見たのは6年ぶりくらいでしたね。初めて通してTVシリーズと映画を見たんですが、おもしろかったですね。ああ、これはウケるわと思いました(笑)。

これ僕がつくってなくて他の人がつくっていたら、僕はハマりますね。」

大槻

「僕も久しぶりに見ようと思ったんですが、ビデオ屋さんが貸し出し中で見られなかったんですよ。」

庵野

「買ってくださいよ。」

大槻

「(笑)。今日上映するのは劇場版なんですが、公開当時も難解だと言われてましたよね。ぶっちゃけていうと、あれはどういう話なの?」

庵野

「最終的には、いいじゃん、他人がいても、ということですね。」

大槻

「それをいうために、あんなに人が死んだりしたわけ?(笑)」

庵野

「その辺は映画ですから。でもテーマってそんなものですよ。」

大槻

「あとは、見た人がそれぞれ考えてくれればいいということですかね。」

庵野

「まあ、答えはひとつじゃないですから。世の中には、僕とまったく同じ記憶の人はいないですけれども、似たような感覚の人はいるわけで、そういう人にとってはおもしろいものになっていると思う。だからひとつの作品でも、その人の取りようによって全然違うと思うんですよ。「エヴァンゲリオン」が大嫌いな人もいっぱいいると思います。逆に、100パーセントの人が好きだと言われるとちょっと怖い。賛否両論というのは、ひとつの作品にとって健康的でいいと僕は思いますよ。」

大槻

「普通ならシリーズ化されたりするのかなと通俗的なことを考えたりするんですが、庵野さんにとってはもう「エヴァ」は手を離れちゃったという感じなんですか?」

庵野

「そうですね。アメリカのほうで実写をつくるんですが、僕は手放しなんで。」

大槻

「それはどこまで進んでいるんですか?」

庵野

「僕のところに来ているのは「やりますよ」ということだけですね。まだイラストぐらいしか。」

大槻

「どんな映画になるんだろう。楽しみですけど「スーパーマリオ」みたいになっちゃったらイヤですよね(笑)。」

庵野

「それはそれでいいんじゃないですか(笑)。僕も楽しみにしています。」

原作を分解して再構成したのが「式日」

――「エヴァ」の後は「ラブ&ポップ」「式日」と実写の映画が続くわけですが、アニメーションから実写に至るまでの心境の変化というのはあったんでしょうか?

庵野

「「エヴァ」の劇場版をつくる時に、現実というものを表現するにはもう実写の絵を撮るしかないと思ったんです。その被写体を考えてみると、声を当てた人以外に現実とつながるものがない。だから、その人に実際に出演してもらって、それで現実感を何とか出せないかと思って挑戦したんですけれども、全然思っていたものにならなくてね。結局プランを変えることになった。この経験がずっと残っていて、実写をやりたいというのはそこから始まってます。

あと、その当時はアニメーションでは「エヴァ」以上のものは今はつくれないやというのがあって、実写ならやれることがいろいろ残っている、とにかく実写映像をやってみたいという思いがあったんですね。その気持ちが今でも続いているというところです。」

大槻

「シャッターが閉まってしまった寂れた商店街が印象的でした。」

庵野

「僕はああいう風景は美しいと思うんですよね。汚いものとして描くのではなく、僕はきれいなものだと思って写してるんです。」

大槻

「シンジ君がいる夏の風景みたいなところにつながるかなと。」

庵野

「そうなんです。ああいう寂しい感じというのが好きなんですよ。」

――原作の藤谷さんは、大槻さんにインスパイアされたそうですね。

大槻

「ええ、たぶん原作を最初に読んだのは僕なんですよ。それからしばらくして、庵野さんが撮るって聞いて、すごくびっくりしたというのがありましたね。」

庵野

「あの原作の文字情報はともかく、雰囲気を映像化することは難しい。だから原作を一度分解して、映画に出来るように再構成してみたら、ああいう形になったという感じです。」

今までと違ってひたすら楽しい作品に

――新作は「キューティーハニー」実写版ということで、ここからはスペシャル・ゲストとして主演の佐藤江梨子さんにも加わっていただきます。庵野監督は永井豪作品は昔からお好きなんですか?

庵野

「子供のころからの大ファンで。永井先生の原作を映像化するという夢がかなって、感無量です。」

大槻

「「デビルマン」とかを映像化しようとは考えなかったんですか?」

庵野

「あの漫画を超えるものは僕にはつくれないですよ。」

大槻

「佐藤江梨子さんを主役に抜擢したのはどういう経緯なんですか?」

庵野

「ハニー役の人を探していまして、佐藤さんの名前が挙がったんです。でも実際に本人と会ってみないとわからない部分もあるので、面接という形で会わせてくださいと。会ってみて、彼女が立ち上がった瞬間に決めました。ああ、この娘でいこうと。あのときの存在感はスゴかった。」

――その時、佐藤さんは庵野監督についてはどんな印象をもたれましたか?

佐藤

「存在感がすごい方で、マジメでカッコいいなあと思いました。すごい緊張してたんですけど、こうして決まったのですごいうれしかったです!」

大槻

「今日は如月ハニーの格好なんですが、すごく決まってますね。」

佐藤

「現場ではずっと“ハニー”と呼ばれてるんですよ。今回は七変化どころか30変化するんですが、すごいオシャレなのでファッションも楽しいと思います。」

庵野

「これは3年前に始まった企画なんですが、佐藤江梨子さんが決まってから、本当にこの娘のおかげで動き始めたんです。ハニーの魅力を最大限に引き出しつつ、今までつくってきたものとは違うものをつくろう、明るく楽しくひたすらおもしろいだけのものにしたいと思っています。明日も朝4時からの撮影で、本当に頑張ってます。公開は来年ですので、ぜひ期待していてください。」

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