映画公開スペシャル! キューティーハニーがやってくる!: 序破急

庵野秀明、貞本義行、山賀博之の発言集、作品に関する資料などを掲載

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TVBros 2004 5/15~5/28 より
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最大多数の最大幸福を狙った映画です

―『キューティーハニー』、楽しませて頂きました! 万人向けのエンターテイメントに徹しつつ、のっけからハニーの携帯着信音が○○○の電話音だったりと小ネタも満載で。

「あれが分かるかどうかで一つ線引きができますね(笑)。話的にはどうでもいい事ですけれども、そういう細かいところにはこだわっています」

―アニメ版主題歌のみならず、エンディング曲「夜霧のハニー」まで本編で使われていたのは嬉しかったです。

「最初から主題歌とエンディングと変身の時の音楽はオリジナルの譜面を使わせてほしいというのが僕の条件でした。アレンジの際も主題歌のテンポだけは絶対に変えないでくれと」

―この企画の発端は4年前、飲み会の席で樋口真嗣さんが口にした「次はハニーですよ!」という一言だったそうですが、そこで庵野監督が引き受けた決め手は何だったんでしょう?

「やはりハニーという作品が持つ幅の広さですね。豪先生の原作自体何でもアリの漫画だし、振り幅だって凄い。復讐を誓うハニーが『この身が夜叉と化そうとも! おぼえておれシスタージル!』って終わって、次の号見たらいきなり呑気に風呂入ってる!(笑)。当時『少年チャンピオン』読んでて、1週読み損ねたかと思いましたから。あれが豪先生の凄いところですよ」

―原作ではレズっ気たっぷりの女学園が舞台でしたが、今回のハニーは派遣OLと設定年齢が上がってますね。

「こういう変身ヒーロー物の場合、高校生を主人公にすると、どうしてもお客さんが限定されてしまうんですよ。もちろんオタクの人にも観てほしいんですが、オタクオンリーにはしたくなかったんです。今回は女性の方にも是非観て欲しかったので、女性が観たい要素は出来るだけ入れたいと。ハニーの親友の秋夏子を女警部にしたのも、今回は、バディ(相棒)物の要素を入れたかったからです。やっぱり主人公一人だと、どうしても孤独が先立っちゃうので。結果的にはオタクもオッケー、OLもオッケーという最大多数の最大幸福を狙った感じです。観終わった後の心地よさというか、顔がほころんだ感じで映画館を出てほしいというのも最初から目指していました」

―キャスティングに最後まで難航したというハニー役の佐藤江梨子さんが上手く世界観にハマっていたなあと。

「アクションも殆ど彼女本人がやっています。足が長いので、蹴り上げただけで画になるのも良かったですね」

―シスタージル、そして四天王と、敵キャラも個性的な顔ぶれ揃いで。

「篠井さんと手塚さんは早くから出て頂こうと決めてました。片桐さんも、松尾スズキさんの『マシーン日記』を観て以来のファンでしたので」

―中でも小日向さん演じるコバルト・クローは妖艶なデザインでしたね。

「本人はデザイン画を観て胸がないからとビビッてましたね。衣装合わせの時、自分の胸に谷間が出来るのを見て驚いてましたよ(笑)」

―ブラック・クローがあしゅら男爵っぽいなあと思っていたら、杖が……。

「ええ、バードスの杖で。その辺り、テレビブロスさん的にはネタ満載のはずです(笑)。及川さんも自分のメイクを見ては『ミッチーと分かるかな?』って気にしてましたけど、いやあもうミッチーにしか見えないですよ(笑)」

―スカーレット・クローの攻撃時は、暴走エヴァ初号機のイメージですか?

「いや、あれは人形浄瑠璃からですね。『新八犬伝』に出てくる玉梓の怨霊の、口がパカッと開いて下がベロッと出るさまがとても印象深かったので」

―最終決戦地も特撮ファン必見といった感じで、見どころ満載ですね。

「全編短いカットが多いので、あまり瞬きしない方がいいかもしれないですね(笑)とにかく1コマ入れるか切るか悩みつつ、93分間に見どころをぎっしり詰め込みましたので、楽しんでもらえるんじゃないかと……特にテレビブロス読者には観てもらいたいです」

―監督が作品を作る上で最も心掛けていることは何でしょう?

「いかにお客さんが観ている最中寝ないようにするか――それだけですね。要は面白ければいいということです」

―映画の後は7月から「スカパー!」で放送されるアニメ『Re:キューティーハニー』を総監督されるそうですが。

「今回本編に使ったアニメのスピンオフで、構造的には『Re』のオープニングを実写版がお借りしてるかたちになります(笑)。脚本が劇団☆新感線の中島かずきさん、監督が今石洋之、キャラクターと作監が平松禎史と、これだけでもうすごいと思いますよ」

―そちらも楽しみにしております。最後にもうひとつ。今度『ハニー』以外の永井豪作品を実写化するなら、どの作品を手掛けてみたいですか?

「『ハレンチ学園』ですね。その際、ヒゲゴジラは半ケツ出した松尾スズキに是非やってもらいたいと(笑)。絶対面白いはずですよ」

―それ、観たいです! 『ハニー』大ヒットの暁には是非お願いします!

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