NTと20人のクリエイター: 序破急

庵野秀明、貞本義行、山賀博之の発言集、作品に関する資料などを掲載

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月刊ニュータイプ 2005年5月号 より
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月刊ニュータイプの20周年記念企画。

この20年でアニメはむしろ退化している

 NTが創刊された当時、庵野秀明は設立されたばかりのガイナックスで「王立宇宙軍 オネアミスの翼」のパイロットフィルムの制作にかかわっていた。創刊号は、作業をしていたスタジオで読んだという。

「誌名を見て“ガンダム”寄りの雑誌なんだろうなと思いましたね。当時は“アニメってカッコ悪い”という時代だったから、誌名に“アニメ”という単語を使わなかったのかなと。そうはいっても“ニュータイプ”ということばはアニメ用語ですからね。アニメ以外のエンタメ記事も入っていてどっちつかずのところもあったけれど、他誌がアニメ一辺倒だったので、NTだけが総合的なイメージをもっていました」

 初登場はそれから3か月後の7月号。関西のアニメーターを取り上げた“浪花メーター特集”だった。

「大阪のアニメーターという特集だったのに、僕の場合、大学が大阪だったというだけで出ているんですよ。出身は山口県だし、大学にもあまり通っていなかったし(笑)」

 アニメーターとしてNTに初登場した庵野だが、その後の演出家としての活躍は周知のとおり。なかでも「新世紀エヴァンゲリオン」をめぐる熱狂は忘れがたい。「エヴァ」は創刊10周年記念号の表紙にもなった。

「当時はメディアミックスという戦略がはやっていたんですが、それまでは漫画やゲームが主役のものばかりだった。でも、アニメーションという映像ソフトを中心として考えるべきというのが僕の持論だったんです。なかなか企画に乗ってくれるところがなかったけれど、たまたまの縁で再会した井上(伸一郎)さんがちょうど『月刊少年エース』の立ち上げのときだったので貞本(義行)の漫画連載が決まったんです」

 「エヴァ」以降、アニメ制作とは距離を置いている庵野秀明。20年の歴史の中で、はたしてアニメーションは進歩しているのだろうか。

「そうは思えない。退化しているか、同じところを周回しているイメージです。結局、20年たった今でも主力は“ガンダム”ですから。創刊号にも20周年記念号にも『Ζ』が載っているというのは、日本のアニメーションを考えるうえで象徴的だと思いますね」

 最後に、これからのNTについてストレートに語ってもらった。

「アニメ誌という性格上、人気のあるアニメに寄生して生きていくしかない。だからアニメが栄えていればNTも生き残るでしょう。結局、地球という重力に魂をとらわれている人たちをオールドタイプとして、そこから解放された人をニュータイプと呼んでいるのに、“ガンダム”という重力にまだ魂を引っ張られている人が読んでいる雑誌がNTというのは皮肉めいていていいですよね。創刊号と20周年の表紙が“ガンダム”で、10周年が『エヴァ』ということは、30周年の表紙はきっと『エヴァ』ですね。予約しておいてください」

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