貞本義行 画集発売独占インタビュー: 序破急

庵野秀明、貞本義行、山賀博之の発言集、作品に関する資料などを掲載

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月刊ニュータイプ 1999年6月号 より
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―「エヴァ」休載から1年。ついに貞本義行が帰ってくる! 超豪華画集「DER MOND」発売に加え、「少年エース」での連載再開も決定!! 1年の充電期間を経てますます冴えわたる貞本のいまをスペシャルインタビューで直撃

この画集は、僕の集大成です!

NT

「画集のタイトル「DER MOND」はどういう意味ですか?」

貞本

「ドイツ語で「月」という意味です。画集のカバーイラストは綾波レイにすると当初から決めていて、彼女に象徴されるもの、ということで「月」をキーワードにしたんです。画集に収録したイラストにも「月」を素材にしたものが何点かありますしね。ただし、聞き慣れないことばがほしかったので、いろんな辞書とにらめっこして(笑)、最終的にこのタイトルに決めました。」

NT

「画集にはどんなイラストが収められていますか?」

貞本

「このカバーイラストも含めて、描き下ろしが数点、それから「エヴァ」や「ふしぎの海のナディア」の未発表イラストも今回の画集にすべて収録されています。そのほかの絵も、描いてから時間が経っちゃって自分で納得できない絵が多くなったので、修正をかなり加えています。」

NT

「修正にはコンピュータを使ったということですが。」

貞本

「'98年の夏ごろから色彩の一部にコンピュータを使うようになったんですよ。それで今回、コンピュータに紙で描いたイラストを取り込んで、データ上で修正しました。かなり細かい部分まで修正していますので、雑誌掲載時のイラストと画集を見比べて、どこが違っているかを楽しむこともできますよ(笑)。」

NT

「紙とコンピュータの違いは?」

貞本

「たとえば、「キャラの目を1ミリずらす」という作業は紙だと大変だけど、コンピュータだとわりと簡単なんです。でも、紙の場合、色のにじみなどの偶然性があって、均一な感じにならないところがいい。それに紙にある質感というか温かさ、味みたいなものも好きなんです。だから、コンピュータと紙のどちらかが特に好きということはないですね。どっちも一長一短です。」

NT

「この画集は自分にとって、どんなものになりそうですか?」

貞本

「「エヴァンゲリオン」で描いたイラストそのものが、意外にもまだ画集になっていなかったんですよ。だから、この5年間の僕の作品の集大成になりますね!」

漫画版独自の展開もあり!?

NT

「漫画版「エヴァ」の再開はどのエピソードからになるんですか?」

貞本

「再開第1話は、TV版では第拾弐話になる使徒サハクィエルのエピソードで、特別に増ページ(笑)。その後はトウジが乗る3号機とシンジが戦う話にしようと思ってます。トウジのエピソードはシンジに与えられた最大の試練になりますね。使徒との生き残りゲームに自分も、そして仲間も巻き込まれ、その中でシンジがどう生きていくのか、という話になります。」

NT

「漫画版独自の展開もあり得るんでしょうか?」

貞本

「アニメ版とちょっと構成を変えるかも知れませんね。カヲルを転校生のような立場にしてアニメ版より早めに出して、敵なのか味方なのかわからない存在にするというのもありかなと思っています。アニメ版は本筋のストーリーがよく見えない部分が魅力でしたけど、漫画版ではあくまでシンジの視点でわかりやすく描くようにしています。そこがアニメ版との違いです。全体としてアニメ版を短くまとめる形になりますが、短いことはマイナスではなく、かえって僕が読者に伝えたかったことがより強調されるんじゃないかな。」

NT

「伝えたいこと、とは?」

貞本

「漫画版の「エヴァ」に関して僕なりにこだわっているポイントは、人とのつながりなんです。自分が他人をどう思っているか、他人に何をしてあげるのか。それが漫画版全体のテーマにもなっているんですよ。再開後はその辺に注目して読んでくれるとうれしいですね。」

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