SFまんが道 第9回「貞本義行」篇: 序破急

庵野秀明、貞本義行、山賀博之の発言集、作品に関する資料などを掲載

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SFオンライン 35号(2000年1月24日発行) より
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2007年6月に公開終了となった「SFオンライン」より。聞き手はイラストレーターの水玉螢之丞氏、編集の堺三保氏。ガイナックスのプロデューサー・佐藤裕紀氏も参加。

貞本

これって、何を話したらいいんですか。

水玉

SFまんがを描いている人にSFまんがの話を聞く企画、だと思われがちなんですけど、要するにまあ「SF」をネタにくだらない話をするようなアレです。

「どんなSFが好きですか」とか。ってまるで大学のSF研で新入生をいじめてるみたいですけど(笑)。

貞本

ぼく、ガイナ(ックス)の中で一番SF度の低い人間だと思うんだよな。ハヤカワ文庫ってやつをあんまり読んでないんですよ。だいたいは、物心ついて小学校あたりで小説に入るでしょ。で、小学生のときにはSFってすごく読みたいじゃないですか。でも読んでみたら、あの独特の翻訳調が子供のぼくにはぜんぜんだめで、読みづらいっていうんで、それでもう。

小学生で文庫っていうと、けっこう早い感じがしますけど。

貞本

ぼくけっこう本が好きだったからね。文学全集とかを親に買ってもらって、小泉八雲とか、日本のあっち系はけっこう好きで。SFまんがで読んだのは、いわゆるジュブナイルで出てる、豊田さんとか。

豊田有恒さんですね。

貞本

そう。あとえーと、何てやつだったかな、『未来からの挑戦』とか、なんだっけな、アリが襲撃してくる話。あれはSFじゃないのかな、なんていうのかな。ああいうのは読んだことあるんですけどね。

水玉

むかしは国産SFって作品数が限られてたから、年が近いとみんなおんなじもの読んで育ってますよね。でもアリが襲撃してくる話は知らないや。すみません。

貞本

日本の作家さんが、SFを書くのに抵抗を感じた時代があったからかもしれないね。

眉村さんは昔ジュブナイルで、あれもだめこれもだめといわれた話をしておられますけれど。

貞本

あ、そうなんですか。あとはジュブナイルだったら、《キャプテン・フューチャー》シリーズの、ジュブナイルでは『戦えフューチャーメン』とかいうタイトルだったと思うけど、読んだことある。学研のやつ。あと、ヴォークトだっけ、『宇宙戦争』書いたの。

佐藤(ガイナックス広報担当)

『宇宙戦争』はウェルズですな。

ヴォークトは『宇宙船ビーグル号』ですね。

貞本

ああ、『ビーグル号』か。それ読んだんだ、ガキのとき。あれ面白かったな。たぶんそのへんで止まってますね、ぼくは。それ以来SFらしいものを読んでない。

水玉

昔のおませな小学生は、夏休みの宿題に文庫を読もうとして、星新一と出会ったものですが。和田誠さんと真鍋博さんの表紙見て、どっちにしようかとか。

貞本

それもなかった。ぼく、それほどSF度高いガキじゃなかったんだよ。

星新一とかに行かなかったのは、やはり『ビーグル号』とか、ああいうのから入ったからですかね。

貞本

宇宙船が出てこなけきゃダメみたいなのはちょっとあった。

佐藤

ああ、はじめにガジェットありき。

貞本

『ビーグル号』がめちゃくちゃ好きでね。ガキのときに親に買ってもらって。

水玉

ヴォークトってガジェットの王様ですものね。くだらんモノがいっぱい出てくる。はっ、オレがくだらんモノに弱いのはヴォークトのせい?

違うでしょ(笑)。

貞本

『エイリアン』をはじめてみたとき、あっ『ビーグル号』のパクリ、って思ったもん。

それはめちゃくちゃ濃いんでは。

貞本

そうですか。だってそれしか印象がないんだから(笑)。そこからSFと離れてて、それから大学に入って、友だちに「このSFいいよ」ってひさびさに読まされたのが、SFの濃いやつ。何だっけ、ネズミの。

水玉

ネズミ?

貞本

ネズミが頭がよくなるやつ。

水玉

ああ、『アルジャーノンに花束を』でちゅな。ってそれはハムスター。すみません、アタマ悪い反応で。

貞本

いや、ぼくもなんか頭悪いな。「ネズミが頭よくなるやつ」だって(笑)。とにかくそれぐらいSFって読んでない。経済小説は読むんだけどね、って、えーと、ぜんぜん今日だめだわぼく、頭真っ白だ(笑)。

佐藤

経済小説というと、城山三郎とか。

貞本

そう。城山三郎を読み漁ってたの。兄貴がすごく好きで、兄貴の部屋に行くと城山三郎の小説がずらっと並んでたんだよ。それ読んで面白い!って思って。で、そればっかりになっちゃってSFとは離れちゃった。せいぜいが『ヤマト』、あれが中学校入ってすぐのころで。

その前は『マジンガーZ』だからなあ(笑)。あ、あれはどうなんだろう。ITCのシリーズってSFなの?

水玉

「サンダーバード」とかですか。「ジョー90」とか。

あれは、みんなSFだと思っていいんではないでしょうか。

水玉

SFでしょう。ってここで多数決で決まるもんでもないけど。

貞本

「ハードSF」ってくくられるやつをぜんぜん読んでいないんだな、ぼく。タイトルは知ってるんだよ、知識として。こんな感じの話とかね。大学時代から、周りにけっこう濃い人が多かったんで。ガイナに入っても、みんなハヤカワ文庫読破してるような人ばっかりでね。

鶴巻とか、岡田さんとか。ところが『漂流教室』でさえ、ぼくの中ではSFになってしまう。SFについて語れって言われたら『ヤマト』だし。

佐藤

誰かに「それ違うで」って言われたんでしたっけ(笑)。

貞本

SFの国の人から見たら、やっぱりSFじゃないの?『ヤマト』は。『スター・ウォーズ』とどっちがSFですか。

『スター・ウォーズ』のほうが変に説明しないだけSFじゃないかと。無理な説明がないだけ。

水玉

『ヤマト』はツッコミどころ満載なぶんだけ弱いかも。

貞本

あー、なるほどね。

佐藤

『スター・ウォーズ』は「遠い昔のこと」といった瞬間に全部OKになったっていうの、どこかで前に読んで「そうなの」て思いましたけど。

貞本

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は、あれはSFなんですか。

かなり濃いSFですよね。

貞本

ディックの短編集とか読んだときは「これいいなあ」って思ったんだけど。なんていうか、いわゆる宇宙船とかの世界じゃないじゃないですか。心理ドラマというか、病んでいる人の心の話とか。で、いいなと思って。『アルジャーノン』とか、ああいうのが割りと好きだった。

水玉

『宇宙船』と『アルジャーノン』の間はないんですね(笑)。間に『ヤマト』とかが入って。きっぱりしていらっしゃる。

貞本

そうなんだよ。『ヤマト』と『ガンダム』が入ってるだけ。あと『未来少年コナン』とか。大学で漫研に入ったら、半分SF研だったんですよ。当時はね。

水玉

半分?

貞本

SF研と両方に入ったんだけど、漫研で先輩を紹介されて、SF研に行ってみたらメンバーが同じなの。アニメ研と漫研とSF研は全部顔が同じ。なぜ名前が3つある。全部くっつけろって。で、そういう人たちから「ハードSFとは」という話を聞かされてですね。

水玉

そうすると読まなくても読んだ気になったりしませんか。これだけ先輩がいるんだから任せとけばいいやとか。

貞本

それで宇宙船が出てこないSFの知識が増えた。

では、今は基本的には、ディックとか。

貞本

そう。でもそういうのを知ったのは大学に入ってから。

小学生から大学に入るまでの間は、まんがとかアニメが「SF」だったんですね。

貞本

そうですね。

やはり『ヤマト』ですか。

貞本

「メカが出てこないとダメ」みたいな。

水玉

ああ、やっぱりガジェットありきで。

『ガンダム』とか?

貞本

『ガンダム』とか。あと、昔「少年ジャンプ」か何かに、『時計仕掛けのオレンジ』の影響を受けたまんががあって、それが妙に好きだった。頭を改造された主人公が、血とかナイフを見てしまうと、周りにいる人をみんな殺したくなるっていう。『キャメル』とかいうタイトルだったんだけど、覚えてませんか。

うーん。

貞本

途中で打ち切りになっちゃったんだよな。

水玉

そういうのって単行本とかになりにくいですからね。「ドリーム仮面」とか。

貞本

ジョージ秋山の『灰になった少年』とか、すごく好きだったんだけど、あれも単行本になってないよね。

水玉

なってないですね。

貞本

SFじゃなくて、わりと猟奇ものっぽい話だったんだけど……うーん、SFねえ。

水玉

あの、あんまりむりやりにSFの話にもってかなくても(笑)。この対談って、2パターンにわかれるんですよ。なんだかいつまでたってもSFの話にならないときと、はじめにいきなり「SFは読んでないんですよ」とかいっておきながら、聞いてくとどんどん出てくる人と。たくさん読んでるんだけど「SFの国の人」だとは思われたくない、っていう気持ちがやはり強いみたいですね。

貞本

なんでだろう。

水玉

なんででしょう。もしやオレとかのせいですか。

貞本

やっぱり濃い人たちを見ちゃうと、「ああ違うな」って思っちゃうからかな。自分が「SFが好き」って言っちゃいけないような気がするんだよ。

水玉

それはオレも『スター・ウォーズ』の濃い人見て思ったですよ。1回みて気がすんじゃうようなヤツが「好き」とか言っちゃいけないなあって。

貞本

ああ、うんうん。ぼくも今回のやつ(『エピソード1』)は、ポッドレースんとこで「ああ、お金払って良かった」って思って、そこから後ろは別にいいやって。SFの匂いはするけれど、ここから後ろは要らないんじゃないのって。自分の星の人々が殺されかけて、占領されかけてるのに、このお姫様は毎回毎回服を替えてきて、よっぽど余裕あるんかねとか。妙にすごく覚めてみちゃった。それに気持ちの悪い、かわいくない異星人、あんなのみんな死んでもいいじゃん(笑)。

佐藤

毛むくじゃらとか目玉が飛び出てるのとか、いっぱい出てきましたものねえ。

貞本

かわいくないよね。

佐藤

あれが向こうの人にはいいんですかね。

水玉

でも『ジェダイの復讐』のイウォークって、かわいかったじゃないすか。

一同

ブー。

水玉

えええ? そう?

貞本

遠くから見るとかわいいけど、近づくと日本人には受け入れられない顔してるんだよ。

佐藤

鼻が低くて出っ歯。

水玉

でもパンダだって近くで見ると実はツリ目ですよ(笑)。

貞本

(『グレムリン』の)ギズモがギリギリだったなぼく。

水玉

あ、ギズモはかわいいですよね。小さいし。

やはり帝国軍がクマに負けてはいかんでしょ。

水玉

だって「勝ったのはわしらではない。イウォークだ」っていう話でしょ、あれ。

それは置いといて(笑)。

貞本

いま、まんがの世界でSFの一番濃い人って誰なんですか。

誰でしょう。諸星大二郎さんとか。

水玉

鶴田さんは?

貞本

本質は違うような気がするけどね。というか、漫画としての絵じゃない。やはり女の子出てきてなんぼのものかな。

水玉

でも、あの線であの女の子で内容はSFだっていうのが鶴田作品のツボでしょう。

貞本

死んじゃったけど、手塚治虫。あれはSF度高いんですよね、一応。『火の鳥』ってあれは深いんですか。

抽象的ですけれど、SF度は高いですよね。

佐藤

あれは手塚ファンのぼくにとってはSF。

水玉

でも『鳳凰編』はいいけど『大和編』はきらいとか、そういう人多いよね。

はいはい。『未来編』はヤダとか。

佐藤

あれは一作ごとにテイストをわざと変えてるところがあるから。作りこみとか、急ぎ過ぎとか。あとやはり、『アトム』もそうですけど、かなり長い間描いてるので、その時々の気分が出てますよね。

最近のSFまんがという意味では「エイリアンナイン」でしょう。これSFになるのかな、宇宙人出てきてるけどどうするんだ、みたいな不思議なまんが。

水玉

あと「エグザクソン」でしょ、園田さんの。

貞本

ぼくね、宇宙人というよりUFOがすごく好きなんですよ。『未知との遭遇』が好きなのは、UFOがきれいだから。UFOものの楽しさでみてる。

エヴァも大雑把に言ってしまえばUFOものですよね。九割九分UFO。

貞本

UFOを探索してく人の話とかも、昔は大好きだったからね。今はそうでもないけど。『20世紀最後の真実』とか、あのほらウソつきおじさん、誰だっけ。

矢追純一プロデューサーですか。

貞本

ああいうやつを、読み漁っていましたね。あ、ねえ、『ARMS』とかSFじゃないの?

水玉

SFでしょう。オレ的には『スカタン野郎』もSFですから。『スカタン天国』のほうはともかく。あと『サイボーグクロちゃん』と『ケロロ軍曹』。

貞本

サガノヘルマーって、あれSFですか。

水玉

あ、あの人よくわかんないですよね、位置づけしにくいっていうか。

貞本

わからないですよね。ジャンル的に。

水玉

ていうか貞本さんて、さきほどから描かれてる内容じゃなくて、描いてる人がSF者かどうかってみたいなところで判断してませんか(笑)。

貞本

いや、でもサガノヘルマーのお話の面白さの本質は、ちょっと眉村さんとかに近い。なんとなく、本質がジュブナイルっぽくて好きなんですよ。すごく。あのチープな絵も。

水玉

……というところで、漫研に入ったらSF研の人と同じ面子だったってところまでお話を戻しまして。そのころ、SFまんがを描こうっていう意志はおありだったんですか。

貞本

基本的にはなかったですね。もうちょっと、何か生ぬるいまんがを描きたいなと。

青春ものですか。

貞本

「少年チャンピオン」でデビューしたんですけど、当時編集長をやってた阿久津さんっていう人が、SFの超マニアらしくて、SFまんがを描かせてくれないんですよ。

ああ、マニアだから逆に。

貞本

「SF漫画を描いてみたいんですけど」って言うと、「いやー、新人まんが家はみんなそう言うんだよ。もっと身近な自分の生活を描きなさい、それを舞台にした漫画を描きなさい」って言われて、すっかりそれに影響を受けちゃった。「今バイク乗ってるんでしょ、人生の中で一番楽しいのバイクでしょ、だったらバイクまんが描きなさい」って。

水玉

なるほど。それはそれですごく正しい意見な気がする。

貞本

で、「片岡義男って作家がいて、これからヒットするから、読みなさい」って言うの。そしたらほんとに片岡ブームが来て、これはすごい、じゃあ描きましょうと。でもまんがとしては、バイクまんがってのはそのときはまだ早すぎたんですよ。ぼくが描いて半年ぐらいして、しげの(秀一)さんが始めたのかな。マガジンで『バリバリ伝説』。そのころにやっとバイクブームが来た。ちょっと早すぎたなと。でもぼくは片岡から入ってるから、『バリバリ』の本質と、僕の好きな片岡の本質って違うじゃないですか。

佐藤

『バリバリ』は片岡というより大薮の『汚れた英雄』系かも。

貞本

あっちの系列だよね。ずっと本質は違うなあと思いながら見てて、たとえば(主人公が)サーキットに行くじゃないですか、サーキットに行っちゃだめなんだよ、バイクまんがは、って思っちゃう。勝った負けたじゃないんだよ、バイクはって。好きか嫌いかの、そこにあるメカを愛する話じゃないですか。

水玉

おれのバイクがあっておれがいて他に何が必要だというんだ、みたいな(笑)。あんまり強い風が吹いてない風景の感じですよね。あ、そうか、生ぬるいってそういう。

そういう意味では、『バリバリ伝説』は、基本的にはスポ根まんがですよね。

貞本

求道精神でね。でももちろんすごく面白いんだけどさ。で、さらに半年ぐらいしてから『ペリカンロード』が始まって、ヤンマガでも始まって。ああ、もういいやと。

ああ、自分で描かなくてもこれだけあるからいいやと。

貞本

東本昌平さんがバイクもののシリーズ始めたときには、もうやること残ってないじゃんって思いましたね。

水玉

あのぉ、『サムライダー』はダメすか? オレ大好きなんですけどあれ。「オレのバイクとオレ」系の話だし。

貞本

でもね、『サムライダー』よりバイクまんがらしいのは、『フラッグ』っていうまんがですよ。キングでやってたの。後はここだなと思っていたところに『フラッグ』が始まって。だからあとは生ぬるーい、車でいうところの西風路線がバイクは残っていると思う。やるとしたらそこだなと。

佐藤

ヤンマガのバイクまんがってどういうやつでしたっけ。

貞本

スクーターまんが。「4○ベイビーズ」っていう、ななし乃与太郎さんが描いてた。

水玉

ああ、はいはい。わりとなんかこう、スクーターのある日常つーか、若者ライフスタイルまんがですよね。おしゃれな絵だった。

貞本

西風路線っていうのは趣味の世界に入るからね、ちょっとでも方向が違えば違うものになるから、いつか描こうと思ってて、まだ描いてないんだけど。あ、そうだ、ちょっと話が脱線しちゃうんだけど、みんなが『ホットロード』がいいっていうから、読んだんだよ。むかし。あれぜんぶで6巻だっけ、それが5巻まですごく辛くて、何が面白いんだろうって。許せんこの女とかね、この男も許せんなとか思って読んでて、3回ぐらい途中で投げたんですよ。こんなの面白くも何ともないやと。

水玉

おまえ自分のバイク愛してないだろ、みたいな(笑)。

貞本

それもあったんだけどさ。で、ぼくが途中で投げたら、かみさんが「お願いだから最後まで読んで」って言うわけ。で、最後まで読んだら面白かった。そうか、最後の最後で癒される話だったのかと。

水玉

バイクまんがじゃなかったんだと(笑)。

貞本

そう。ぼく、感情移入できなくて読んでたから。こんなかっこいい兄ちゃんいねえよとか、こんなかっこいいバイク乗ってねえよとか、ふつう紫とかに塗ってじゃん、もっとカッコ悪くリアルに描けよとか思って、その辺のリアルじゃない部分が邪魔しちゃってて。尾崎豊の歌とかさ、自分の世界に入り込んだ話って、ぼく大っ嫌いだし。

けっこう正義と熱血の人ですねえ。

貞本

うん、熱血。だから『狂い咲きサンダーロード』大好きですよ(笑)。

佐藤

ちょっとお話が熱い走りの国へ行ってしまいましたな(笑)。

なかなかSFのほうに帰ってこられない(笑)。

貞本

まんがの話になっちゃうとしょうがないんだよな。

佐藤

『鉄人28号』とか松本零士さんとかそういう路線のまんが、石ノ森さんとかは読んでないんでしたっけ。

貞本

石ノ森さんの漫画は意外と読んでないんだよ。『009ノ一』とか好きだけど。

おお。

水玉

石ノ森作品を挙げるときにソレがまず出る人って珍しいかも(笑)。

貞本

あと『四畳半襖の下張り』でしたっけ。

水玉

まんが化されましたよね。じゃあ和風系ですか、「佐分と市」とか。

貞本

ああいうやつとか、『ジュン』とかあっち系の。メロウなやつが好きだった。石ノ森さんのまんがに限っていえばね。

手塚さんは?

貞本

ぜんぜんかすってない。『ミクロイドS』を少し読んだだけ。

佐藤

それもまた何かアレな気がしますな(笑)。

貞本

ああいうさ、戦隊もので一人だけ女の子が入ってるってのに、何かね、エロスを感じて、子供心にいいなって感じながら見てたんだよ。『009』もなんとなくあの女の子、003がいるから見てた。アニメのほうをね。かわいいなぁと思いながら。だからぜんぜん話は見てない(笑)。何かモアイが出てきたなあってぐらいしか覚えてなくて、毎回オープニングの003がかわいいなあと。

ということはカラー版のほうですね。

貞本

白黒のほうも世代的には見てたはずなんだけど、覚えてない。

水玉

「003効果」ですな(笑)。

佐藤

手塚さんをぜんぜんかすっていないというのは、ちょっと珍しいですよね。まんがよりアニメってことなんですかね。

貞本

兄貴が買ってた雑誌にたまたま手塚さんが描いてなかったのかもしれない。

水玉

小さいうちは、まんがとか上の兄弟の趣味に依存しますもんね。

世代的には『マジンガーZ』とか『デビルマン』とかの。

貞本

最初は『キッカイ君』ですね。あ、マガジンだったから手塚さんがいなかったのか。

水玉

あー、そうかも。『ミクロイドS』はチャンピオンだし。

手塚

『ミクロイドS』が手塚さんを最初に読んだまんがだな。この人のどこが巨匠なのって思いながら読んでた。そんなに面白くないなと思って。

佐藤

『ブラック・ジャック』とかは?

貞本

『ブラック・ジャック』は面白いと思った。でも晩年のチャンピオンの手塚作品を読んでると、どうしてもどこが神様なんだろうと思っちゃうところがあるよね。『ゴブリン男爵』とか。

水玉

『ブラック・ジャック』の後ですね。あとえーと、なんかハリー大尉みたいな人が出てくるやつ。『七色いんこ』か。

貞本

『プライム・ローズ』とかね。『ブラック・ジャック』とほぼ同時期に『火の鳥』を読んだのかな。たしか。

『三つ目がとおる』とかは。

貞本

『三つ目』は読んでなかった。で、『火の鳥』を読んで、うわあすげえ、と。

それは「マンガ少年」連載版の。

貞本

そう。「マンガ少年」よかったなあ。

水玉

おっ、SFの話に戻れそうな気配が(笑)。

貞本

あ、そうそう。意外とさ、少女まんがってSFがあるじゃないですか。でもぼくあんまり読んでないんだけど。

佐藤

萩尾さんとか。

貞本

読まなきゃと思って一回積み上げて、結局読んだのは『スター・レッド』だけ。やっぱりね、ビジュアルが邪魔しちゃって読めないんですよ。

ああ、少女漫画の絵柄というのが。

水玉

コマの順序とかもわかんなくて苦労するらしいよ、少年まんが育ちの人は。

貞本

そうそう。コマ割りがだめだったんだよ。難しくて。

水玉

ちょっと訓練すればだいじょぶですよ。大島弓子作品とかで。

貞本

男みたいなコマ割りをする人なら、まあ読める。樹村みのりとかね。大島弓子も、高校に入ってから知ったから、一応読める。小中学校のときは少女まんがって全滅でしたよ。あんな女々しいものなんか読めへんって。男っぽかったから(笑)。……あ、岩館真理子の『キララのキ』って、ディックだなあと思って読んだんだけど。

水玉

ああ、あれはすごかったですねえ。計算して構築して描いてるかんじじゃなくて、わりといきあたりばったりな構成っぽいのがよけいすごくて。うわあ少女まんがの絵でクローネンバーグやってるよすごいよ、とかオレは思ったっす。

貞本

ディックっていうか、けっこう頭いっちゃった人の話だなと。

水玉

ツジツマ合わせようとかいう意思が見えないんですよね。最後まで淡々としてる。

貞本

他人に対する恐怖感というか、けっこうこれ怖いよって思いながら読んでた。もしかして『エヴァ』でも見て、違うぜっとか思いながら描いてるのかなとか。謎ばっかりでその謎解きをしようとしないとことか『エヴァ』的なんだけど、でもそれがぜんぜん不自然じゃない。

あ、ちょっとSF方面に帰ってきましたね(笑)。

水玉

どんどん帰りましょう。えー、さっきのバイクまんがのお話に出てきた、こういうのがあってこういうのもあって、あと描かれていないのはこの辺かな、みたいな見かたっていうのは、SFまんがに対してもできますよね。

貞本

うーん、でもぼく、SFだと何が描かれてないのかよくわかんないからなあ。

水玉

侵略ものは『エグザクソン』があるし。『ケロロ軍曹』もオレ的には侵略テーマSFなんですけど(笑)。『エグザクソン』は巨大ロボットものでもありますよね。

アニメにはちょっとリバイバルしてきてますけど、宇宙戦艦ものっていうのはまんがでは見かけない。

水玉

『OUTLAW STAR』があるじゃないすか。

いや、もっと。

水玉

ああ、何百人とか乗れるようなサイズの戦艦の話? だったら、ないかも。

貞本

ないですか。

水玉

みなさん描きたくないんでしょうか。

貞本

難しいでしょう。

バーンと一枚絵で宇宙戦艦を見せるっていうのは、まんがだとアニメより難しいんでしょうね。見せ場的に。

貞本

星野さん系のああいう超まじめな世界で、『宇宙船ビーグル号』とか『キャプテン・フューチャー』とか、あっち系のやつを描いたらいいかもしれない。あの辺の宇宙戦艦ものの実写のやつってないの? 最近。

佐藤

ぜんぜんその辺の話はなし。それはウケんと。サルが出てこないと『スターウォーズ』もあかんかったわけですから。

水玉

コドモが喜ぶ要素が入ってないと、ってことですか。ていうか、それでチューバッカかい! って気もする(笑)。

貞本

あ、今でもそういうのがあるんだ。へーえ。いいじゃないねえ、もうこれっきりにしちゃえば。

水玉

というところで、『新世紀エヴァンゲリオン』についてそろそろうかがいたく思います。『エヴァ』の場合、最初は「アニメ連動もの」だったわけですけど、現在はアニメ版の放映は終了してますし、制約も少ないんじゃないかと思うんですけど、そもそもの「貞本版」のコンセプトというのは。

貞本

アニメ本編でSFテイストの部分はやっちゃってるからね。同じことをぼくがまんがで描いてもしようがないってことで、真っ先に切った部分が、ゼーレのオカルト的な部分と、SF的な部分。

それで、わりあい活劇的な感じになってるんですね。まんがのほうは。

貞本

ディテールとキャラクターを見せてく感じですね。キャラクターデザイナーなんだから、その部分で見せていこうと。特に人情関係の。だからあのまんがを描いてるときは、ぜんぜんSFとして意識して描いてない。ふつうの学園ドラマとして描いてますね。

水玉

はっきりと「シンジの物語」になってますよね。

貞本

『エヴァ』は、連載始めてちょっとぐらいから、これは最短距離で終わらせるとしたらどういうパターンにすればいいかなとか考えてたんだけど。

水玉

おいおい(笑)。ああ、でも、単に本編で語られなかった部分を描いていこうとか思ってたら、いつまでたっても終わらないっすよね。

貞本

そう。で、けっきょく、シンジの物語って最初と最後じゃないですか。親父に主人公の男の子が呼ばれてるっていうところから始めてるんだから、それを終わらせなきゃいけないなと。少年と親父の話で、しかも少年が何かわだかまりを持ってるわけだから、それが解かれれば一応ストーリーは終わるんだっていうことですよね。最終回のネタをバラすと一応そうなってしまうんだろうなぁ。そうならざるを得ない。

佐藤

シンジくんと親父さんの話はもう描いてたんじゃなかったですか。

貞本

あれは過渡期。シンジはまだ親父のこと好きなんだよ。だけれど拒否されてる。これから親離れをしてくんだよ。親父を憎んでく。今までもぼくを捨てたなとか思って憎んでるんだけど、状況的に離れてたからさ、心からは憎んでなかったわけ。まんが版のシンジは、本当は一緒に住みたいなとかわかり合いたいなとか、そういう気持ちが心の中の憎しみの向こうに、ちょっとあるんだよ。そういうのを回想シーンでちょっと入れたりしてるんだけど。

水玉

父親側の事情っていうのを、理解はしてなくてもとりあえず「いろいろあるらしい」ってレベルで認識してますよね、貞本シンちゃんは。それをはっきりと理解してしまったら、結果として憎しみを生み出すことになってしまう、ってことですか?

貞本

というか、親離れをしてって、親だって他人=他者なんだからしょうがない、っていうところまでいくんですよ。そういうところに昇華されていくというか。人を憎んだり好きになったりすることの根本的な意味がわかるというか、自分と他人の距離とか、嫌いな人間も好きな人間も個人の個性として認めていくみたいなところ。

水玉

おお。アニメ版のシンちゃんが最後までぜんっぜん気がつかなかった部分ですな。

アニメ版では結局最後まで、他人との距離をどうとればいいのかわからないままいってしまってますよね。

貞本

ミサトもアスカもそうなんだけどね。まんが版はシンジとを親父との距離の話ってところからスタートしてるだから、シンジ以外のキャラクターの内面みたいな部分は、けっこうずばずば捨ててっちゃうかもしれない。

水玉

でも単行本最新巻だと、まだあの、空からおっこちてくるでっかい使徒うけとめたりしてますよね。最短距離といいつつ先はまだ長いのでは。

貞本

そうですね。全体の大きなストーリーとしては、まだまだ真ん中ぐらい。シンジが、親父はぼくに対してこう思ってるんだってわかったところです。ぼくの中の親父はあの墓でああ言ってくれたシーンで終わったんだと、ここから先は他人としてのゲンドウとの付き合いだと。で、親父を個人として好きになってくか嫌いになっていくかっていう話を、今から描かなくちゃいけない。あなたこういう人だったのですね、っていう話。

水玉

貞本版を読んでてあらためて実感したんですけど、アニメ版のシンちゃんって、自分のことで悩むのに手いっぱいで、他人のことを慮ったりは実はほとんどしてないんですよね。貞本版のシンちゃんのほうが少し考えてる分、他人からわかってもらいやすいかも。

というか、アニメ版も映画のシンジ君も結局、どんなにがんばっても状況に勝てないという現実というのをやって流されてしまっている。

佐藤

でもそれって、ある意味リアルじゃないですか。

リアルですね。

佐藤

人間って自分の考えていることがコロコロ変わってしまう生き物であると。一時間前はこう考えてたのに、今はもう「でもなあ」とか考えてる。コロコロ変わっていってぐるぐる回って山手線みたいになって、で、やはり自分は変わらないんだなという、あの諦め感というのは劇場版シンジのリアルな部分なわけですよね。

貞本

まんが版は、だからそういう意味ではリアルではないんですよ。自問自答して、ぼくはこうありたいっていう方向を描いていきたいんで。

そこがやはり一番大きな違い。

貞本

リアルなものとを見たいといっても、まんがでそれをやってしまうと鬱陶しいだけなんですよ。アニメはまだ椅子に座らせて見せてしまえば最後まで見せることができるけど、まんがは自分の力で読み進んでかなきゃいけないんで、いやなものを書いたらそこでみんな止めちゃう。うじうじしたまんがなんか投げられてしまう。

水玉

ていうか、貞本さん的にはまんがっていうのはそういうものなわけですね。貞本シンちゃん、モノローグ少ないですもんね。シンちゃんのわりには。

貞本

でもさあ、おおSFだぜっていうところに関してだったら、おれは『トップをねらえ!』のほうがSFっぽいと思ってるけど。

そうですね、『トップをねらえ!』は、とくに5話6話はSFだなあと。

貞本

爆弾を作るのに星を縮めちゃうとかね。ぼくはそのネタ自体に、けっこう感激しましたよ。それでいくと『エヴァ』は、SFな人から見てどのへんがよかったんですか。

時間のスケールがガーンとあるところですかね。ヤシマ作戦のとか、あれ30分かけて2発弾撃つだけの話じゃないですか。でもそういうもんだよなぁと。SFかどうかっていうより、そういう部分が好きでしたね。

水玉

おお、なるほど。って今回オレ聞き手に専念しかかってますね。ところであのぉ、素朴な疑問なんですけど、毎月初号機を何コマも描く作業っていうのは、すごくタイヘンなことなんじゃありませんか。

貞本

最初、起こしたとき、マジかよと思いましたからね。本気でこれやるの? って。

水玉

まんが版はもっとあっさりしたデザインにしちゃおうとか(笑)。

貞本

だって、アニメ本編って、正直な話、第壱話に3ヶ月ぐらいかかってるんですよ。こりゃワンクールで終わるな、ってぼくは思ってましたからね。ガイナ班で半年に2話しか作れなかったわけだから、こりゃできねえわと。だからもう途中からは、どんな風に崩壊してくのかってのが興味の対象でしたよ。でもけっきょく、終わりの2話残して作画的にはそんなに崩壊してないからすげえやと。最後はそこで感動しましたね。

水玉

ひゃー。セキララな内部事情が。

貞本

現場のノリも良かったしね。

佐藤

放映始まったら反響がすごくてね、やって良かったと思いましたから。スタッフも、その反応を見てどんどんテンションが上がっていったようなところがありましたしね。

貞本

スタッフが、作りながら(作品を)愛してたよね。劇場版は、ほんとはオリジナルのキャラクターだけ使ってぜんぜん違う話の企画があったんだけど。

佐藤

TVシリーズを見てない人にも楽しめるという、本当はそういう予定だったんですけれど、さすがにスタッフから疲れた宣言が出てまして、もうできねえよと。じゃあ劇場版は弐拾伍、弐拾六話のリメイクということで、残ってる本来の脚本どおりにやろうと。で、本来の劇場版はぽしゃった形になってる。

貞本

そう。へこたれちゃった。ぼくは最初の予定の劇場版が見たかったんですけどね。

佐藤

どちらかというとさっきのSFの話に戻るわけですけれど、そのぽしゃったほうの企画では、巨大ロボットのいる世界というのをまじめに作りたかったのですよ。デザインチームとしては、そういうアイディアを組み立てていったもう一方の側の、まあいうたら『ハードゲリオン』(笑)みたいなねえ。

貞本

だけど、TVシリーズを延々とやってきて、もう全員息切れしてるじゃないですか。いまからこの大変なのをたった一年で作れっていうのぉ? って、庵野さんも含めて全員がへこたれちゃってて。

佐藤

庵野さんは半年のリハビリ後に、もう一回ビデオ版をスタートさせて、スケジュール的にはアレして何とかなりますということで、だから最初にテレビが終わった段階では、発表しましたけれどオリジナル長編も考えてたんですよ。

貞本

『エヴァ』って夏の世界じゃないですか、それが美術が一変して、冬の世界にいきなり雪山の、ミサトとかもコート着て出てくる予定で、かっこいいじゃんとかとか思って、ぼくは内心ちょっとはりきってたんだけど。それがリメイクってことになって、なーんだ、ぼくの仕事ないじゃん、って。

水玉

あのー、アニメ版の『エヴァ』って、始まってみたら、じっさいに放映されてるものとはなんだかビミョーに違うものを、心眼で見ちゃってるような人がけっこう続出しましたでございましょ。

貞本

ああ、勘違いして?

水玉

いや、勘違いだったら気がつけば直るんですけど(笑)、自分が見たいものを意思の力で見ちゃうっていうか。「レイちゃん」はけなげでかわいくていいなあ、とかそういう、不思議な現象が相次ぎましたよね。キャラクター・デザインを担当されたことで、それぞれのキャラクターたちに貞本さんなりのイメージというのがおありだと思うんですけど、そういう「現象」に対してとか、あるいはそれ以前にじっさいにアニメとして動き出したところで、貞本さんが考えてたのとは違う方向に進んじゃった部分とかに対して、今描いてるまんが版である程度修正していこう、みたいな感覚っていうのは、あったりするんでしょうか。

貞本

それは少しあるかもしれない。でも、庵野さんに見せる時点で、このキャラクターをこう動かしてほしいっていうのを、デザインに込めてたわけですよ。こういう女の子にしてよとか。ケガしがちでいつも包帯してる、こういう女の子はどうよとか、アイディアを出していくわけです。ミサトはこういう感じで、28歳だけどかわいいんだよとか。そういう、それぞれのキャラクターが持ってる世界ってのは、庵野さんは最初にぼくに発注するときはなんにも言わなくて、とりあえずそっちのやりたいことを見せてくれっていう感じなんで、まあやりかたとしてはズルいっちゃズルいんだけど(笑)。でもまあ、わりとそういう感じで『エヴァ』に関してはうまくいったと思ってます。声に関してもイメージどおりだなと。

そろそろまとめたいんですけど。

水玉

ちっともまとまってないでちゅなあ(ばしッ)。あいたあ。

じゃあ、最後にこれだけは聞いておきたいこととかは。

水玉

はい。まんが版にはカヲル君はいつ出てくるんですか。

ってやっぱりソレかい(笑)。

貞本

うーん、ぼくいつも次の次のことしか考えてないんで(笑)。でないと前に進めないから。

佐藤

次の次には出してください、って今お願いしておけば何とかなるのでは。

水玉

貞本バージョンではアニメ版よりちょっと早く出るというのはどうでしょう。

貞本

ああ、それはずっと前から考えてたんですけどね。柱の陰からじっと見てる。

それじゃ飛雄馬のお姉さんですよ(笑)。

佐藤

なぞの転校生風にとか。

貞本

ああ、それもいいかも。

水玉

さいしょの設定どおりに猫抱いてて。

佐藤

いつも猫とこそこそしゃべってる。

水玉

カヲル君どこに住んでたんだろうとか、アニメで残った疑問をまんがで解決していただきたいですね。

佐藤

猫にマイクが仕掛けられててとか。

水玉

そうすればほら、「あのコ顔はきれいだけどナカミ変だよ」っていう、正しい評価が(笑)。

それが正しい評価なんですか。

水玉

え? 違うの? だって、それに気がついてないのはシンジ君だけだよ、ってとこまでいっちゃったじゃないですか。同人誌の世界では。てのは冗談にしても、そうか、使徒だったから彼はああだったんだ、っていう部分でシンちゃんに納得してほしいんですよオレは。アニメ版のあのまんまじゃ解決されてなさすぎなんで。そこらへんを貞本版できちんと描いていただけたら、オレはすんごくうれしいんですけど。みんなはどうかな(笑)。

貞本

カヲル君の声って、みんないいって言うんだけど、ぼくとしてはかなりイメージ違いましたね。もっとかわいい声なんだよなぁ、若くて。

水玉

では、そういう声でしゃべりそうな「貞本版カヲル君」を、ぜひ。次の次あたりに。

はいはい。わかったから。どうもありがとうございました。

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